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危機管理と合理的科学的思考

2020年2月に入って、武漢初肺炎の集計上の国内罹患者が86名になりました。

この感染症対策は、SARS能勢意向を受けて、水際対策に自信があるとしていた日本政府、行政の、危機管理の顕著なケーススタディです。

特にクルーズ船内の感染者数増加が著しいようですが、ウイルスが残っている状態で消毒もせずに軟禁している影響が大きくはないのでしょうか。もし、自分が乗船者と同じ立場であれば、政府に対してはかなり落胆していると思います。

もしこれがハリウッド映画だったらどうなっていたでしょうか。

・ダイアモンドプリンセスの場合
軍や疾病対策センターがクルーズ船から乗員乗客を専門施設に移送。客船は直ちに完全除菌ごウイルス死滅期間放置。移送された乗客乗員は完全消毒を受けた後に個々に隔離され、全員検査。外部からのウイルス侵入を遮断した上で、念のために2週間の観察。未発症ならば再検査の後開放。

ウエステルダムの場合
自国民の安全確保のため、疾病センターが軍の移送ヘリで航行中のクルーズ船に救出に向かう、防護服を装着させ隔離装置に収監、自国の専門施設に移送。あとは同様。

というように、乗船者に対しては衛生上の安全のために、一旦消毒し、観察中もウイルス遮断に配慮しなければいけないように思います。その上で潜伏期間中の観察を行わなければ、観察期間中に発症しないからと言って、ウイルス感染の可能性は科学的には全く否定できません。

 

政府や官僚が、自分たちは単なる政治の専門家であることを認識していれば、このような科学的に破綻した、初歩の実験計画法を踏み外したような対応を取っていないように思います。

# もっとも、義務教育でも習っているはずなので、教育が破綻しているのかもしれませんが、、

ちょうど国会の会期中でもあり、各責任者が、判断は正しい、法に基づいて対応している、という答弁をしているのを聞くと、いかにも自分はきちんとしているので今後何かあっても責任はない、といっているように聞こえてしまいます。あなたの周りにもそういう人はよく見かけるでしょうが、学生のみなさんはそうならないようにしてください。

また、日本は製造業国家から観光立国に転進しました。今回のクルーズ船への政府の対応を見ていると、日本国民は海外旅行に行きたいと思うでしょうか。現地で何かあったときの対応はこれに習うことになります。もう一つ大切なのは、この自国民に対する対応を見た、他国民である海外旅行者はどう感じているでしょうか。日本という国に旅行したとき、万が一の際には日本政府は外国人を真っ先に切り捨てるだろう、と感じてはいないでしょうか。合理的な対応ができないと、いくら評判がよくても、今後の評価は低迷するかもしれません。

 

クルーズ船の乗客のみなさんには、できるだけ室温と湿度を上げて防疫するとともに、ご健康を祈念し、現在の隔離期間が上述の影響で延期されないように祈ります。