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ワクチン打ってもそれはスタートライン

さて、新政権も発足、きっと衆院選挙、参院選挙も現与党が快勝することでしょう。それを祝うかのように、後期は原則、全面対面授業となりました。学生の皆さんは期待の他面授業再開で喜ばしいことでしょう。

本研究室部分担当の科目、機械設計製図演習II や機械工学実験II も、大学の指示に従って実施する必要があるので、対面実施に向けて準備をしています。

大阪府立大学を運営する公立大学法人 大阪では、武田/モデルナ社製ワクチン職域接種も実施して、学生さんのみならず教職員も多数の方が受けたようです。

実施期間 : 6月28日(月)~8月18日(水)
会場 : 大阪市立大学 杉本キャンパス
学生 9,070 / 約15,300人 職域摂取率 60%
教職員 2,147 / 約4,700人 職域摂取率 45%

法人ホームページより

 

一方、感染者数の動向は以下の通りです。


図 コロナreport20210921

残念ながら、ワクチンの効果は症状の悪化や悪化する時間的余裕の獲得には大きな効果はあるようですが、デルタ株の影響なのか、大阪でのデルタ株感染率が上昇した7月上~中旬からは増加が見られています。ワクチン職域接種開始とともに感染者報告は増加して、接種後2週間でワクチン抗体量が極大になるであろうとされている職域接種終了2週間後の9月初旬からは一段の増加を示しています(大阪府立大学ページ資料より作成)。

というわけで、やはりワクチン接種はデルタ株に関しても病状進行速度を抑えるけれども、感染拡大には完全性はないようです。逆に、病状進行速度や症状を軽減するために、周りの人への感染機会を増加させかねません。実際はひとりの個人が多くの人に感染させるというよりも、多くの感染者がその周囲の人に感染させている、ということだと思います。

したがって、ワクチンを打っても安心はできないということです。手指消毒とできればJIS規格準拠の効果が科学的に有効なマスクの利用、などが大切です。一昔前の喫煙者とその臭気を想像すれば、密室での長時間滞在だけでなく、窓を開けた効果もいかほどかは想像に難くないでしょう。デルタ株に対しては、20代前後の人にとっては、従前の株に比べると桁違いに感染リスクという意味では危険があるようです。ただし、ワクチン接種によって、従前のように軽傷で済ませることはできるようです。

最も危険なのは、ワクチン未接種の人です。デルタ株は20代前後の若い人にもその繁殖性故に感染し、ワクチンによる症状遅延効果がない場合には、死亡例も散見されます。科学的合理性に根ざす健康な大学生が、よもや一週間以内に収束する副反応を恐れて数ヶ月以上に及ぶウイルス感染による重度の後遺症を防ぐワクチン接種を拒んでいることはないと思いますが、そのほかのアレルギーや特定の慢性基礎疾患などを理由にワクチン接種が合理的に接種できていない人は、通学、キャンパスでの人接触、そして受講時には十分な対応をとってください。