[Re:07] Reboot : ゼロから始める OpenFOAM @ windows トイレの換気も頭つかってくれよ その6(三次元編)
さて、二次元の計算モデルで長らく遊んできました。なんとなく、トイレの中の流れと、換気扇、窓、ドアの関係が見えたのではないでしょうか。
OpenFOAM は元々三次元で計算をするようなので、二次元の流れを扱おうとすると、暑さが1パネルになるように設定するのは、オートメッシュの時点では少しこつがいるようです。もっとも、今回の直方体の部屋の場合は、 XSim ではなくても、OpenFOAM 付属の blockMesh の得意とするところですから、きっちりと方眼用紙に座標を書いて臨んでもよかったのかもしれません。その意味では、三次元流れですら、同様ですね。でも、裏返しとして、ちょっと複雑で縁故などが入っているモデル作成の場合は、 XSim を利用するといいのかもしれません。
使用した計算モデル
今回の計算モデルは、よくあるように、窓の上に換気扇が配置されていて、その対面の壁に入り口がある形状です。窓とドアは、体格に配置されています。計算ケースは二次元の場合と同様に、換気扇から吸い出した条件で、窓とドア全開、ドアのみ全開、窓のみ全開、です。
計算結果1– 窓とドアを全開
二次元での計算結果と同様に、窓とドアから空気の流れがあります。換気扇への空気の流れはすべてその直ぐ下にある窓からのもので、窓の流れの一部がドアの方に向かって流れていますが、その流速は小さいようです。つまり、二次元の計算結果と同様に、換気という意味ではその効果は限定的で、換気扇を使用している効果を考えると、非常に無駄です。
計算結果2– ドアのみを全開
これも二次元での計算結果と結果は同じです。換気扇への空気の流れは、唯一の開口部であるドアから入ってきます。流速の村はあるものの、部屋全体に流線が広がっているようです。つまり、換気としては非常に効率的に思います。
計算結果3–窓のみ全開
これもまた、二次元計算結果と結果は同じです。窓から入った空気は特に換気扇に近いところで流速が大きく、離れるにつれて流速が小さくなっているため、換気口かは限定的です。ゆっくりとした渦が出来ているので、ドアに近いところではあまり空気は動いていないようです。
今回の計算結果はいずれも、時間ステップの早期から流れが安定して、ほぼ流れのパターンが変化なく落ち着いていました。OpenFOAMは 3次元の方が安定して計算できるのでしょうか。詳細は計算条件の違いにあるのかもしれません。乱流エネルギー消散等の安定性を高めた結果が効果として現れているかも知れません。
まとめ
令和の時代に平成の時代の話をぶり返した内容でしたが、今は新型コロナ CORVID-19 の時代。マスコミや行政の曖昧な言葉の情報を独自解釈で鵜呑みにするのではなく、きちんとメカニズムを考えて解釈できるようになるのが工学技術者のスキルと思います。今回の結果は、視覚化したという意味で、少しはイメージ獲得の足しになったでしょうか。
次回からは円柱周りの流れに挑戦してみたいと思います。パラメーターの効果はそこで試してみたいと思います。