でんきの”で”
本学の一年では、物理学実験がカリキュラムに組み込まれ、基本的な電気や光学の知識と基本的なデバイスの特性、そのために使用する計測装置類、などについて、実験を通じて実際に現象に触れ、計測器を操作も体験します。最近では、ただただ、指導書に書かれた作業にも届かないレベルで、単純な作業をこなしたつもりで達成感を感じてくれる学生さんも増えてきて、目の前で起こっていることの原因、理由に全く関心を示さなくても、とりあえずやっただけでもで、褒められて伸びてきたいきいきと育った学生が増えてき来るのをみていると、日本の製造業もどんな逆境でも明るい技術者であふれてきていることをいちはやく実感できます。
現代では、かなり安価な工業製品ですら、組み込みコンピューターが搭載され、制御や、ユーザーフレンドリーなインターフェイスが表示されたり、発光デバイスが楽しげに瞬く電気回路がついたりしています。もちろん、制御が難しい機械的燃焼動力機関も、プログラムで制御しやすいモーターに置換されるなど、電気光学機械の占める割合が急速に上昇しています。
恐竜的教育方針を掲げる本研究室に置いても、実験装置を動かすためには、手回し装置ではなくモーターが多用されています。温度や圧力を測る場合にも、棒温度計や水マノメーターで計測は行いません。しかし、上等な圧力計計測システムもまた購入することはありません。必要な精度に応じて多様なセンサーデバイスなどを活用します。モーターを動作させるには、動力電源は、性格も異なる三相電源や単相電源の100Vオーダーの電源を使用します。一方、電気デバイスではせいぜい直流で数十ボルト、電子デバイスでは、信号電圧幅が数mVから数Vです。扱う電圧、電流も、4桁くらい幅があります。
最近の勇気ある学生は、小学校理科の知識ですらもダークサイドの影響を受けるので、発泡スチロールを切断する場合でも、ニクロム線が切れると平気でΦ2mm径の針金を代替使用します。そして、サイリスター電源は報告もなく忽然と姿を消し、闇に葬られます。
# 某近隣国よりも恐ろしい大学です・・・ 突然機器が消えるなんてトラウマになってしまいます。
本コーナーは、主に電気工作関係の基礎的なお話について紹介しています。
このコーナーを読んで、本研究室の財務的に非常に貴重な装置類を破壊したり、何よりも大変恐ろしい電気事故に遭わないようにしてください。
# “読む”ということは、これくらいは動物が火を恐れ逃げて解決するようなことなく、技術者の端くれとして使いこなせるくらいになっておけ、という意味です、念のため。