[安全] 空気配管

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本研究室では、コンプレッサーを用いた実験はあまり行われていませんが、風洞や可視化水槽の取り扱い、部品工作などの作業状況、などでエアツールを用いることがあります。かつては、空気配管はエア漏れを防いだり、配管変更などが結構面倒でしたが、エアカプラーの普及によって、経済的に簡便になってきました。

ところが、気軽に利用できるようになったことから、うっかり空気は圧縮性であることを忘れていると、とても危険な状況を発生させてしまうので、機械工学的知識を元に注意が必要になります。

現在最も普及しているエアカプラーは、日東工器社の商品で、商品名が普通名詞化するほど普及しているようです。ハイカプラー(およびその互換品)が多く、カプラーが小型のシリーズがスーパーカプラーですが、一般的な機械では前者が圧倒的なようです。

一般にエア用に限らず接続する機器、カプラーには、ソケット(メス)とプラグ(オス)があります。エアカプラーでは、一般的にはソケットにエア漏れを抑えるバルブが付いています。製品としては、バルブ付きプラグやバルブなしソケットもありますが、コンプレッサーを上流とすれば、上流側にソケットを用いるのが一般的のようです。

バルブがあるほうがエアが漏れにくいと考えて、チューブ両ソケットにしたり、プラグにもバルブ付きにして延長ホースを作成すると、エアがチューブ内に保持されるのであまりよくありません。チューブが膨らんで硬くなって取り回ししにくくなったり、常に圧がかかっているので、チューブ破裂やソケット脱落が起きるかもしれません。

延長チューブの脱着手順にも知恵が必要です。最近のチューブはウレタン製が多いのですが、何も考えずにソケットを外すと、内部の加圧空気がプラグから一気に噴出し、ロケットさながらに飛ぶことかあります。プラグは小さいとはいえ、結構高速で飛ぶとそれだけで凶器です。

また、噴出する流量、つまり気体とウレタンチューブに蓄えられる弾性エネルギーは、その長さに比例します。つまり、長いチューブを使用している場合、噴流のエネルギーもそれなりに大きくなります。脱着、とりわけ取り外しの場合は、接続チューブの長さ認識にも留意しなければいけません。

したがって、複数のチューブを接続している場合も同様です。コンプレッサー近接で一気に接続を外すような冒険はせず、出先から順番に外すほうが安全で合理的と気づくでしょう。