雑感

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なぜ、メモやノートをとらなくなったのか、だって?

令和元年も肌寒くなり、いよいよ年末を迎えようとしています。

世間の一部では、説明を受けているときにメモを執らない世代が増えていることが話題になっているそうです。

それをネガティブにとらえる側は、説明したことを理解し、記憶しているのかがわからない、といいます。

それをポジティブにとらえる側は、たいした内容でもないので忘れない、とか、そもそも大切なら資料を配付するべきだ、といいます。

 

本研究室周辺では、こんな問題はもはや議論する状況、時期をとうに過ぎた時期に当たります。答えだって、もう ほぼ、確定です。対処方法も、私の中では疾(と)うに固まっています。

 

そして立場的には前者、つまり、メモは取った方がよい、です。

 

したがって、ここでは後者の立場に対してネガティブな意見が続きます。

まず、なぜメモを取らないのか。

それは面倒だからに決まっています。第一に、紙を準備しないといけない。わざわざレポート用紙などを購入するのがばからしい。ルーズリーフ※1購入しても、それを持って歩くのがかさばる。科目ごとに冊数の増えるノートなんてもってのほか。どうせメモを執ったところで見ることが少ない。わからないことがあったら携帯で聞く方が早いし。そもそも、忘れられたら困るというのなら、最初から必要なことは資料配付してくれればいい。

 

個々に差はあるでしょうが、基本的にはこんなところでしょうか。

 

意見に、100%不合理なものはそれほど多くないのでこうやって文章にすれば当然、なるほどというところもあります。

 

おそらく世間で話題になっているのは、そのスタンス(立ち位置)、目的が異なっているのだと思います。

 

本来、本法人の運営する大学のような教育機関に通う人は、最近の世代の多くの人は、個人のスキルアップを目指しているはずです。しかし最近は、そう言われればその通りと答える人は多いですが、一方で、本音は、単位を取って卒業と就職が得られれば、あえて言えば、卒業もしないで就職ができればそれだけでいいのです。そのさきはなるようになるだろうし、ならなかったら仕方ない。だって、とりあえず今まではなんとかやってこれてるんだし。

 

ま、こんなところです。

ちなみに、機械系技術者を目指して本課程で学ぶ学生さんのほぼすべては、設計(製図ではないです)を身につけようという意欲はありません。機械系に入れば就職が有利と言われた、というウワサが動機のある程度を占めているものと思われます。

実際、採用企業は、それを体現していますから、決して上記の考え方は、その目的ではどうも間違っていない、という背景もあるようです。

 

数年前は、高等教育期間の中途半端な時期において開講される授業の最初に、メモを執ることの意義を、なぜか説教、講話のように、5分強から10分弱くらい説明をしたことがありました。残念なことに、その話を聞いて、20歳を超えた被教育者は、なるほどというような顔をして、急にメモを執り始めるのです。まぁ、わざわざ言われたら、なっ得してなくてもその場繕いで、普通はそういう行動を取るだろう、と思われるでしょうか。最近の世代は、もっとストレートなので、多分納得した可能性はそれほどは低くないと思います。それでも、回を重ねれば、やはりメモを執らなくなります。簡単に言ってしまえば、そういう習慣がないのですが、実際はもっと根が深いと思います。そしてそれは、もはや大学というステージでは、通常対応の範囲内では、修復することはほぼ困難だと思います。

 

というわけで、一部世間のこの話題、特別なコストのかかる研修でもしない限りは、きっと解決できない、という結論に落ち着くのかどうか、数ヶ月したら、思い出すことがあったら、もう一度結果を調べてみたいと思います。

 

あ、ちなみに、資料化して配布しても基本的には無駄です。資料を手に入れれば、写メで執ったのと同じ安心感が得られてしまうからです。心の平穏が大切です。読むことを強要すれば、次は、もっと簡単でわかりやすい資料を要求されて、結局は中身のない資料を求められる結果になって、資料を作る作業の意義がなくなりますから。結局は、メモを執らずに、記憶に定着しないことがわかっていながら、説明や指導をすることになります。これが今の普通の大学の一般的な授業風景です。

 

上述のように、根治対応は根が深いのですから。

 

# 会社なら、最初からそういう人を採用しないという選択が可能かもしれませんが、単純に適用すれば、今度はメモを執るふりをするだけです。根、を審査する必要がある、ということです。もちろん、大学もそういう入学審査をすればよいだけなのですが、なぜかそれは入試としてふさわしくないそうです。でも、導入すれば、今度は頭数がそろわなくなること請け合いですね。。。。あ、そういうことかぁ。経営者ってたいへんですね♪

 

 

 

※1 日本でのこの語感が示す印象に比べて、その発祥はたいへん独創的で合理的でした。でも、本記事のような状況下では、いやまったく。この日本における語感が実はすべてを物語っている、で十分なのかもしれません。