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機械系技術者の住処

国内では、年金問題や国民総労働者、少子化に伴う内需減退、などなどいろんな問題が顕在化しています。

先日、参議院選挙前に公表されなかった「年金財政検証」では、いろんな可能性が示されました。でもそれは、確率ではなく、場合(ケース)の提示だけでした。これを根拠に安心や不安になるのは科学的ではありません。さすが科学を捨てた精神の国、日本の政府です。

日本の国内の状況があまりよくはないらしい、ということは、選挙の前頃の経済産業大臣が、厚生労働省を差し置いて、国民の将来の生活に関して調査した結果を報道に公表しておきながら、結果的に闇に葬った時点で、我が国の国民はそれなりに不安に思ったようです。一方で、年金制度は100年安心と厚生労働大臣は議会で説明していますので、もし将来なんらかの問題が生じれば、全国民で国家賠償訴訟を起こせば勝てるかもしれません。
 
アメリカでも、日本の年金制度を参考に、年金制度が設立されました。もし同じ制度ならば、日本のように厚労省が政府政治家の圧力で年金資金を無駄使いしなかったならば十分維持できた制度なので、アメリカは新設された制度でもあり、ただそれだけで絶対に信頼性が高いと思います。本来は日本の年金制度は制度的には成立していたのですから。

というわけで、今回は機械系技術者が住居をどこに構えるのか、というお話です。

これはもはや先人としての失敗談を一度明確に記してみよう、というトライアルのようなモノです。内容の信憑性はいつものように自己判断でお願いします。

ニッポン政府は、「ものづくり国家」としてあの「ものづくり」という言葉を旗揚げし、多くの国民も、日本の製造品および製造技術が世界一だと信じるような施策によって疑いもなく信じています。

そのような過信、もとい自身が、勧告との経済的な争議に発展したのかもしれませんが、一方で、今が最後のチャンスという政府の焦りもあるのかもしれません。いずれにせよ戦後処理が解決するとよいですね。

みなさんもお気づきと思いますが、最近の我が国政府は急峻に観光立国へとシフトし始めています。オリンピックや大阪万博の開催を獲得し、その勢いはさらに加速しているように思います。

それはなぜですか?

私にはわかりません。でも、機械工学課程で学ぶ学生さんを見てきた印象では、そうなのかな、とも思えます。そうなのかな、って何だ。それは、わからないときの定型句ですよ。

21世紀に入って、かつては絶対につぶれないと思われた製造業の会社がたくさんなくなっています。それは、廃業だけではなく、吸収合併や買収なども含めてです。それらの過程で、拡大しているのならよいのですが、たいていは統合による合理化、など縮小が基本方針のようです。国内の人口が減少しているから、内需縮小が原因だろう、なんて言うことも考えます。でも、世界のトップ技術の製造業なんでしょ?多少日本の人口が減少しても、世界人口は膨らんでいるのになぜ規模を縮小するのでしょうか。そういえば、先進諸国に比べても、内需割合が大きいので世界経済の影響が少ない、韓国の貿易制限があっても影響は少ない、とか聞いたような気もします。あれ、世界の製造業を支えているのに?

やっぱり世界でトップクラスの技術国というのは、近隣国のように妄想を植え付けられているのでは?真摯で誠実な日本の政治家や官僚、政府に限ってそんなことはあり得ませんが、ちょっと不安になってきます。

というわけで、もう政府の関心を失った製造業に就職しても仕方がないかもしれません。いま、日本初のジェット旅客機も、20世紀なら政府が全面支援をしたかもしれません。でも、今は販売についの助言のような支援が中心のようにおもえます。直接の支援がこのレベルでは、成功した暁には、必要となる関連製造業まで含めた技術者の国内供給なんて望めそうにありません。当然海外メーカーへの発注となるのでしょう。裏返せば、日本に本格的な旅客機メーカーが誕生しても、その他の製造業の技術者になったのでは、自滅しかないかもしれないということです※1。今後の技術者機械系技術者として能力をつけたい、あるいは能力を高めたのなら、ひとつは、技術者や製造業に今なお強い関心があり、その結果としての内需依存度の少ない国で働く、というのが指標になりそうです。

貿易高の大きな国々は、アジアでは、香港、シンガポールがダントツ(対GDPの300%,200%超え)ですが、工業製品の割合はまた別のようにも思います。その他のアジア諸国も概ね 100% 越です。欧州では、スイス(85%)、ドイツ(70%)、フランス(45%)、イギリス(40%)など40%以上の国が目立ちます。ちなみに日本は25%くらいです。(以上、2017年時)

ドイツは工業国です。日本と同様に自動車会社も、ブランドでも6社以上、グループでも3グループ以上を維持しています。航空機メーカーはフランスに負けますが、実態はエアバス社は半分ドイツですし、電機メーカーや鉄道メーカーなども世界トップの大企業が目白押しです。そう考えると、ドイツは候補地のひとつです。

ドイツは、国民性として日本に対して友好的です。また、論理的に考える民族と言われてましたから、技術者としては、やれオタクだの、やれ理屈っぽいだのと揶揄される日本に比べれば、はるかに暮らしやすそうです。事実、教育制度も技術だけではなく技能にも敬意を持ったシステムが存在しています。給与レベルも技術者にとってよいシステムで技術者に対する社会の評価の高さを表しています。

早々に仕事を終えると、みんなパブで楽しくビールとソーセージです。そういう暮らしがイヤでなければ、一番のおすすめはドイツです。ワインもあるし、近隣にはおいしいお酒や食材もいっぱいです。
 
給与も高く、労働時間も短い。時間もあるので、スイスやギリシャ、イタリア、フランスへも、車で走れば一日で移動も可能なため、バカンスも選択肢が多くなります。そんな映画のような生活をしたければ、しっかり機械工学を学んでドイツを目指す、というのはいかがでしょうか?

機械系技術者になるのなら、いっそドイツを目指して勉強してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、本法人では 2020年度から、一部の対象者に対して授業料が無償化、減免されるそうです。でも、欧米では高等教育の無償化(または同程度の制度)は20世紀から実現されていますので、将来もとっても安心な社会です。


※1 だって、あなたの周りではどうでしょうか?日本の技術レベルを自慢したり誇りに思ったりする人は多いかもしれませんが、自分がそれを担う技術者になろうという人はいったいどれくらいいるのでしょう?たとえばスパナやドライバーを手に機械を触ったことのある人に巡り合えますか?ソフトウェアや電子デバイスで工作などをしたことのある人はいますか?それを継続しているでしょうか?1/3くらいいればすごいですが10%くらいはいますか?日本の技術がすごいと思っている人の中にでもそれほどにはいないかもしれません。絶対位にいないと思います。あ、ちなみに、幼稚園児や小学生に聞いてもだめですよ。将来を見据え始めた高校生以上でないと、、、そしてそれば今の日本の科学教育の実態ということです。