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落雷、上から来るか、下から来るか、横から来るか?

さて、最近は気象の激甚化の一端なのか、夏の風物詩のようだった雷も、年中、見ることができるようになりました。昨日も雷鳴がとどろいていました。そういえば昔から、ヒット曲でも冬の稲妻というのがありましたね。

落雷は、稲妻が地面にまで達したもの、それ以外は雲の中でうろうろしているようです(発雷)。ゴロゴロ言ってるうちはまだ雲の中で、地面にまで向かって駆け抜けてくると、ピシっ、だとかパシッ、だとか、なんか違う音がするみたいです。そんな音がしたときは、きっとどこかの地面か樹木か、建物とかの避雷針に落雷しているのかもしれませんね。

個人的なもっとも落雷地点最短の経験は、概ね、20mくらいです。急に強くなった降雨の中、自動車内に待避していたところ、前方の樹に落雷しました。落雷時の音も非常に乾燥した角の立った音で、ずーんというスーパーウーハーのような振動も感じました。流体工学的には、おそらく衝撃波の波形がぱりっと起っていたのでしょう。視覚的には、青いようなものが見えた気もしましたが、それ以上に一瞬、すべてが光りに包まれるように真っ白でした。だから樹に落ちた落雷を見た、というよりは、樹を中心に光りに包まれた、という感じでした。そして、車内にいたにもかかわらず、直後からオゾン臭が漂っていました。あまりのど迫力に、しばらくは車からでれませんでした。まぁ、雨も日フォ勝ったからではありますが。落雷のすごさをまさしく間近に感じた瞬間でした。

さて、雷が地面に向かってくるとか書きましたが、なんで雷は落ちるというのでしょうか。

そのまえに、小学校理科等で習った(今どきの優秀な学生さんは習わなくても電気の流れくらいは察するのかもしれませんが)電気で、電気が流れるとそれは電流が流れている、って習ったかもしれません。「電気が流れる」=「電流」、、、それって略語を習ってたのか、、、なぁんて思ってしまう内容です。でも、電子とかいう正体不明の物体が出てきて、電流は電子が流れてる、といった尻から、実は向きは逆なんです、なんて惑わされるような話を聞いたような覚えがあります。ま、何がプラスで、何がマイナスかは、算数を見ていれば定義でくるっと変わってしまうもの、あんまり意味がないという一つの実例ですね。発見の経緯でいえば、運、確率は 1/2 だった、電流の流れる方向と電子の動く方向が逆になったのは運がわるかっただけ、ということです。あとで定義修正する勇気はなかったんですね。で、そもそも電子なんて言う言葉でごまかされている気配もぷんぷんです。

というわけで、雷は電流が空中を流れているらしい、ということはわかりました。

仮説1 雷は天空で鳴っていて、時々地面に達するから

これがきっと本命だと思います。世の中、世間の用語なんてそんなものです。素直な感覚が名前になっていることがほとんどです。最近の技術用語のように、変な気を回すと分かりにくい用語が生まれるだけです。でも、あんまり工学っぽくなくて、この記事的には面白くないです・・・:-<

仮説2 雷が天空から走ってくる(ように見える)から

確かに最近の監視カメラや撮影された映像からは、天空と落雷場所がつながった後、天空から消えていくように見えます。これは現代の記録装置で観察しているのだから間違いないのではないでしょうか。まさしく雷神降臨! ;-P

そもそも、雷を観察しているように思いますが、そもそも電子ってカメラでとらえられるのでしょうか。多分、無理です。では、カメラに写っている、あの稲光、はなんなのでしょうか。それはきっと、電子が流れて電流が流れた結果、空気の抵抗が大きすぎてとても高温に発熱した結果、気体分子がばらばら(電離)になって発生したプラズマです。さらに言えば、その高温の光が見えているのだと思います。痕跡です。流体工学の実験でもそうですが、見えないものは間接的に観察していることが多いので、見た目にだまされないように気をつけないといけません。見えてる世界が全てじゃない、っていうやつですね。

でも、上のお話なら疑問がわいてきます。

そもそも電子ってどんなスピードで流れてるんでしょうか。雲の下から流れ出た電子が地上に達するって、それって電流は電子とともにやって狂っていることでしょうか。あれ。電流は電子とは逆に流れているのに、これだと電子の流れと電流は同時には起こらないのではないでしょうか。ということは、電流は電子の流れではなかったっていうこと?

難しいですね。高校の物理を思い出してみましょう。空気を挟んだコンデンサーでは、それほど高圧でなければ電流は流れません。でも、宇宙には

世界は電子に満ちあふれている!

プラズマは超高温、数億度から2万5千度だそうです(温度巾はいろいろ)。もはや摂氏か華氏かなんて関係ありません(それが工学です)。ボイルシャルルの法則だけでもその体積膨張のすごさはうかがえるでしょう。パシッ!衝撃波は音になる。雷の音はプラズマの生滅によって発生しているんですね。

さて、結局落雷はどこからやってきて、どこへ向かうのでしょうか。

人気者の落雷、サンダー、ライトニングは、やはり世界中で関心が持たれていて、既にその機構はほぼ解明されているのだそうです。

電位も、一般的には積乱雲底部が負電荷を帯び、そこから放電し始めるそうですが、中には正電荷から落雷になることもあるそうです。その場合には、稲妻は赤く光り、地上の負極は普通の落雷よりも被害が大きくなるそうです。

 

手順は、まずは負電荷側から前駆放電と呼ばれるいわゆる稲妻っぽいものがふらふらジグザグ枝分かれのように伸びて、放電通路を先陣を切って波状的に開発し( stepped leader : 前駆放電 )、反対側では streamer と呼ばれる陽の専攻放電が伸びるそうです。その先端が地上に達したとき、その経路はプラズマのように電気を通しやすい道になっているので、次の週間、大電流が流れ始めるそうです(return stroke : 帰還電撃)。これは、前駆放電とは逆に正極側から一気に伸びるそうです。そして実は落雷は一度ではなく、雲の底部とつながる場合には距離も短いことが理由と思われますが、一端大電流が通った道筋、多分大通りの一本はその後も通過しやすいことから、同じような前駆放電が今度は一気に進行するそうです(dirt leader : 矢型前駆放電)。このときやはり一回目と同様に、帰還電撃が帰ります。これを数回から十数回繰り返すことが多いそうです。その間0.5秒くらい。

ところで、電子が負側から来るのでプラズマが負側から伸びる、では、両極間の電子が一斉に動く場の考え方にはそぐわないと思うのですが、みなさんは上述の話で納得できているのでしょうか。雷は、たとえば巨大コンデンサーのような電極間で電流は、電場での電子の放出は、電子銃からの電子射出とは違って、タンクの穴から水がしみ出て広がっていくのとは違うように思うのですが。プラズマの性格と、電場の電流の流れ方を参考にすると答えにたどり着けるかもしれません。

さて、こういう落雷の話を少し読んでみて、あなたは物理に興味があるのですか?工学に興味があるのですか?何か思ったことがあなたの適正だと思いますが、それについて何をしたか、してきたかも少し考えてみてください。

で、けっきょく、落雷は音で表現すれば、

パリ、パリパリ、パリっ! ・・ ばあぁあぁあぁんっ!!

という感じでしょうか ^^;;
肉眼でも、上方から枝分かれしているように見えるから上から来ているように見えて、落雷、だったのでしょうか?

落雷、上から来たり、下から来たり、さすがに横からは来なかった。

ま、山岳地帯ではわかりませんが。

関心を持ったなら、是非ネットで真偽のほどを調べてみてください。

 

本研究室としては、コンデンサーなどを用いたパルス発生時に、高圧になっていれば十分感電する可能性があるよ、ということを知っておいてください。それほど高圧でなくても、短絡箇所でプラズマが見えることはよくあることです。静電気の発生は、電子デバイスを破壊します。手首のアーシングなどにも配慮してください。