機械工学

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機械工学科でロボットの勉強がしたいの?

ロボットを作りたいーーAI、人工知能、機械学習

なんで?!

機械系の学生さんの中には、「ロボットに興味がある」という学生さんが少ないながらもいまだ一定数の割合いるようです。漠然としていたとしても目的を持っている学生さんの中ではダントツかもしれません。

# 今は、なんとなく、という学生さんの割合が半数以上です。

そもそも、ロボットが何なのか、その言葉が表すものは時代とともに変わっていたり、ロボットに対する個々人の常識もかなり大きく違うようです。

  「ロボットがしたい!」

この言葉はいったい何を言おうとしているのでしょうか、、、

 

ロボットが世に出たのは、最近は日本では絶滅した感のあるSci-Fi 小説のようです。 Wikipediaによれば、戯曲『R.U.R.(ロッサム万能ロボット商会)』 (カレル・チャペック,小説家,チェコスロバキア,1920) に登場した人型の有機人工物だそうです。フランケンシュタインのような人造人間、の類ですね。

語源として、作品発表時の言葉、robota(ロボッタ,チェコ語で賦役 (強制労働) と robotnik ( ロボトニーク,スロバキア語で労働者)からの造語で、作者の解説もあり、この作品にちなむという検証も可能なようです。同様なものはゴーレム、機械的なものはエネルギー変換工学の授業でも紹介している自動機械やジャザリーの本のように、人に変わるものは古くからあります。その意味では、機械工学の最終成果はロボットであるべきなのかもしれません。

ところが、残念なことに、製造物という観点から、製造業を担う機械工学はロボットに絶対関われますが、明らかに現代のロボットには、機械要素が少なすぎます。そもそも、現在の寵児、AIなどは、クラウドと相まって、実体を持たないロボットのようになっています。実体がないと、本来もはや機械工学の出番はありません。

さて、では、機械系にやってきたロボットに興味ある学生さんは、ロボットを製造することにも興味があるのでしょうか。たぶん答えは否、です。現状電気で動いているロボットの、アクチュエーターの設計の勉強をするつもりでしょうか。たぶんこれも否、です。機械工学では運動を扱うジャンルが機械制御の分野です。これは、質量のある部品が動く時の挙動を扱うもので、もっと基礎的な手足や頭、顔を動かすソフトウエア的な制御とは異なるものです。でも、機械工学のこのジャンルなら、オーソドックスな機械設計の勉強をしなくてもロボットに関わってやっていけそうです。

しかし、ロボットを作る、という大きな意味では、もはや現時点でも機械工学の関われる領域はかなり小さくなっているようです。少なくとも、動かす、という機能は、実際に動かす電気工学か、それをガバメントする情報工学がより適しているようです。ただし、人が搭乗したり、遠隔操縦するようなロボットであれば、まだまだ機械工学はウエイトが大きいかもしれませんが、それでもAI探索結果による制御がメインでしょうし、残念ながらそのような商品はなかなか一般向けには実用化されないようです。

自動車があるじゃないか、と思われた方、今、注目の自動運転は、その技術においては人は操縦しないので、前者のロボットの範疇に入ると思います。

ロボットを支えている技術は何なのか。

それを入学前に調べるべきで、調べたからこそ入学したのであれば、機械工学の範囲で勉強をすれば良いことです。もし目標が機械工学の範疇でないものでも、自分で勉強すれば良いことです。ただし、中途半端な勉強では、本来の分野の人には到底かなわないことは製造業の人には明らかですので、よっぽど真剣に勉強してください。

センサー技術

認識技術

指令技術

動作デバイス

情報処理

情報伝達

筐体

ロボットを作るのに、スパナで何かを締め付けたり、ハンマーで何かを叩いたり、火花が飛び散る溶接機のようなものを使用するのは、きっとアニメか映画の世界だけだと思います。

ま、興味があるのなら、こんなお話はわかりきったこと、余計なお世話、でしたね。すみませんでした。