テーマ : 新型高性能高出力垂直軸風車
あたらしい複合タービン垂直軸風車/マイクロ風車
(共同開発/補助金申請母体受領企業/製造販売会社/提携先 等 募集中[お問い合わせ])
New Fluid-Engeenering-Concept High Performance Drag-Lift Hybrid Virtical Turbine
(1) 研究背景
近年、環境問題が国際関係も含めて深刻化しており、自然エネルギーへの対応の必要性が高まっている。その中で風のエネルギーを利用した風力発電が注目され、徐々にではあるが広まりつつある。環境先進国ドイツでは電力需要の4.9%をカバーするまでに成長した。現在、風力発電の主流は大規模発電であり、また巨大エネルギーシステムを補完するするものと見られている。
しかし風力発電の施設増加と設備の巨大化が進むにつれ、問題も生じている。主に、低周波による騒音公害、景観公害、設備による日照、生態系への影響などが挙げられる。また台風が多い日本では、強風時の安全性や風切り音なども問題となっている。現在主流となっているプロペラ式風車は、低風速時の発電効率が低いことや、風車単独での起動が困難なことも問題となっている。さらに、発電所の設置場所が街から離れていることから、送電時の効率も課題となっている。
日本では特に設置場所に関する問題が大きい。国土の狭い日本では人口密集地帯が多く、大型風車の設置・保守が容易な平地には人が住んでいる。また特に海岸地帯には都市が多く設置場所が限られる。しかしながら山岳地帯に設置すると地形乱流などの影響もありコストがかさむことから、設置場所に関しては課題が多い。オフショア発電についても、気象の極端化もあり課題は多い。一方で、二酸化炭素規制などから日本でも環境問題への関心が高まり、風力発電に対する関心も大きくなっている。
以上の点を考慮して、今後はどのような質のエネルギーがどのくらいの量必要であるかを検討し、その最終用途での利用効率を高めるようなエネルギー供給体系を確立するべきである。その一つとして小規模分散的な風の資源特性を活かして、小規模風力発電利用技術を考えることは今後の課題であると言える。特に設置場所の少ない日本では、小型風車の実用性は高いと思われる。利用目的に適合するように、熱の直接変換による暖房、加湿、給湯システムなどは、ニーズと風の資源特性を適合させた合理的な利用法の一つであるといえる。
(2)垂直軸型風車
小規模風力発電の一つとしてサボニウス型風車が考えられる。サボニウス型風車は垂直軸風車であり、一般的には半円筒形の羽根2枚で構成されるが、3~4枚のもの、またこの風車を上下に重ねた多段式のものも存在する。効率は最大でも10数%にすぎないが、抗力型に分類されるこの風車は、低風域(周速比0~2)で大きなトルクを発生する。また、垂直軸型であるため、水平軸風車のプロペラ型と異なり、どの方向からの風に対しても風を受けることができる。低風速(1m/s~)でも起動することができ、低風速時(周速比0~1.5)の発電効率はプロペラ式よりも高い。このように低風速でも発電するサボニウス型風車は、プロペラ式に比べ構造が単純であり、プロペラによる巻き込み事故等の危険も少なく、低周速比であるため比較的安全である。また狭い場所でも設置できるので、都市などに適しているといえる。
一方、プロペラ式に比べて高速時の発電効率は低く、それ自体で発電をまかなうのは困難である。よって、直接熱変換による利用方法や、発電効率をあげることが今後の課題である。また、さらに低速で起動することで、低風域の頻度が多い都市部での稼働率向上を目指す。
さらに、ストレートダリウス(ジャイロミル等)タービンは、プロペラ型と同様の揚力型であり、その効率改善が近年盛んに試みられている。垂直軸型固有の振動問題はあるものの、回転による遠心力に対する構造強度的な優位性もあり、現在は、垂直軸型の主流となりつつある。
このような垂直軸型風車にフローティング技術を応用した、新しい垂直軸型の風車の検討・性能向上についても検討している。特に、ジャイロミル型の起動性を大幅に改善したタービンや、耐振動性能の向上や従来とは異なった空力学的メカニズムを持ったタービンに関して、開発しました。本タービンでは、抗力揚力コンバインドタイプではなく、抗力揚力ハイブリッドタイプになっています。現在では、空力的影響によって変化する性能特性について、製品設計に必要な幾何的なパラメーターについて、さらに広範に調査を継続中です。