テーマ:地面効果翼
地面効果翼(WIG)に関する基礎研究
WIG(地面効果翼機)とは?
WIGとは,水面すれすれを高速で飛行することで,翼下面に空気をためこみ,高い圧力を作り出すことで飛行する乗り物のことである.また,水面すれすれを飛ぶことで地面効果を得ることができ,揚力が増し,抗力を相対的に大きく下げることができる.そのため,燃費良く飛ぶことができる. 東・東南アジアでは,主要都市のほとんどが沿岸部に存在している.これら主要都市を行き来するには,航空機では,燃費良く飛ぶことのできる巡航状態で飛ぶ距離が短いため,経済性が比較的悪い.また,船舶では経済性は良いが,移動時間がかかる.しかし,WIGが実用化されれば,経済的に,そして短時間で主要都市間の行き来ができるようになるあらたな流通オプションが構築できる.また,日本以外では航空機のように大規模な空港を造る必要もなく,環境に優しい.これらの理由からWIGの実用化は有用と考えられている.
本研究室の研究状況
本研究室では,野口等によりPAR-WIGの空力特性,鶴・吉田等によりシングル配置のS字型断面翼の空力特性が調べられた. S字型断面翼とは,前縁からXの位置の中心線をその接線に対しXより後部を対象に折り返し,厚さ分布を加えた翼であり,フラップを付けたときと同じように頭下げモーメントを減らす効果がある. WIGは姿勢が変化した際に強い復元力が必要とされる.それは,水面すれすれを高速で飛行するため,姿勢がかわると水面に接してしまい事故につながるからである.現在は,S字型断面翼をタンデム配置することで強い復元力が得られるのではないかと考え,タンデム配置のS字型断面翼の空力特性を調べていたが、現状では研究室運営の事情で休止中である。
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