テーマ:フローター

フローター(エアバー)

フローティングシステムとは, 1955年にイギリスのコッカレル卿が発案したエアクッションの原理を利用した搬送システムで,空気の流れ(噴流)を物体の下面に衝突,あるいは噴流の運動量変化によって生じる圧力を,搬送材である物体表面に作用させるさせることによって,物体を非接触で浮上搬送させるシステムのことである.このシステムの大きな特徴として,搬送する物体の表面に傷がつかないという点が挙げられる.現在,実際の搬送にフローティングシステムを利用している例としては,アルミストリップ(アルミの薄板)・紙・ガラス・フィルムや,極度に異物を嫌う半導体素材のクリーンルーム内での搬送等がある.また実際のラインでは,搬送物の非接触搬送だけではなく,搬送材のコーティング・乾燥・焼鈍などの表面処理等、付加的な機能を持つものも多い.現在使用している実験装置をしたに示す. 現在の研究内容について これまでの研究では,搬送材表面にかかる圧力分布を測定してきた.しかし,実際に移動する搬送材の影響を模擬した実験はほとんど行われておらず,新開によってこの問題を解決する実験装置が開発された.この実験装置を用いて,新開・山口らによって搬送材による影響を考慮した実験がなされた.下にその実験結果の一例を示す. 搬送材(ベルト)走行時と静止時を比較すると,エアクッション内部における搬送材表面上の圧力分布に違いが生じている.そこで現在は,エアクッション内部のながれと圧力分布の変化との関係を調べるため,フローターとベルトの間における流れの可視化を行っている.

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